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-Niche-家に返ろう展は会期を6月7日(日)まで延長致します(最終日は17:00まで)。どうぞお立ち寄りください。
5月16日(土)ー5月30日(日)
Nroom artspace first exhibition 
-Niche(ニッチ)-  家に返ろう

浅野満
今村仁
岩熊力也
門田光雅
David Franklin
彦坂敏昭

開廊日 木金土日 13:00-19:00(最終日は17:00まで)

5月16日(土)17:00~ オープニングパーティー

展示風景






浅野満






月、門#1  図No.12
2009 80,5×65,7㎝





今村仁









untitled 直径44㎝




とび出た 14×18㎝

岩熊力也







reverb(無頭のスフィンクス、 逃げるウサギ、偽ウサギ)2007 227×181㎝



reverb(落下するバッファロー、悲鳴にも似た咆哮)2007
194×162㎝
門田光雅








木枯らし
2009 72,7×60,6㎝



mental pollution 2007  106×100㎝





David Franklin







Drawing 09.1.






Hommage a Hijikata I.2





彦坂敏昭




燃える家 No.15 2008
78×154㎝





燃える家 No.18 2008
71×64㎝


ご挨拶

 まずはじめに、このたび多くの方々のご協力の賜物により、「Nroom artspace」が無事オープンに至りました事を深く御礼申し上げます。

練馬区南大泉の一画にスタートしたこのスペースは、都心からやや離れた住宅街の中に位置し、作品鑑賞をしていただくにはあまりアクセスのよい場所とはいえません。また居住空間の一部を改装したスペースのため、十分な展示空間を確保できているともいい難いかもしれません。しかし、そのような場所であるからこそ、同時代を生きる作家さん達と共に学びながら、今日のアートシーンにおける既存の商業ギャラリーとは一線を隔した、その中でしかできない結びつきや新しい関係性の確認と、空間作りの実験の場を展開していきたいと思っております。

そのNroom artspaceの最初の展覧会として-Niche(ニッチ)-「家に返ろう」展を開催致します。nicheとは西洋建築では、壁面や柱の一部にある美術作品や花瓶などを置く窪みの部分を意味します。その起源は宗教の時代にも遡り、当時教会堂の内陣奥、聖なる空間に位置するnicheは神や聖人の彫像を納め、肖像を描く神聖な場所とされていました。宗教以前の古代建築においても、同様の窪みに聖なる彫像を拝する習慣があったといいます。また先史時代の洞窟には、人々が土で出来た壁面に思い思いの絵を描いた痕跡が示され、人類の長い歴史を通じて美術と建物、美術と壁体が切っても切れない関係性を結んでいたことが思い起こされます。

 一方でnicheにはいわゆる「スキマ」という意味もあります。このNroom artspaceの立ち位置は、まさにnicheと呼べるかもしれません。日本文化においても床の間に掛け軸をかける風習があり「スキマ=数寄・間」という言葉も、古い日本家屋を改装したスペースにとって興味深いものです。

最初の試みとして、nicheを取り巻く意味をめぐりながら、今日の絵画作品の制作に携わる若い6人の作家をご紹介したいと思います。絵画がタブロー中心となった今日では、ややもすると美術作品が商品として消費され投機の対象となり、一人歩きしがちです。生活空間を兼ねたスペースを展示会場とする事によって、絵画と建物・絵画と壁体の古来からの関係性に再度思いを馳せ、日本の美術文脈の中で現代における「絵画と家」の新しい結びつきについて考える機会になればと願います。


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